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長寿について スーパーセンチナリアン

こんにちは。

今回のテーマは「長寿」の研究について。

2019年11月13日に110歳以上の超長寿者の方が特殊なT細胞を持つということが理化学研究所生命医科学研究センタートランスクリプトーム研究チームと慶應義塾大学医学部百寿総合研究センターの共同研究グループから発表されました。

みなさんはスーパーセンチナリアン(Supercentenarian)という言葉をご存知ですか?

110歳まで到達される方をスーパーセンチナリアンと呼びます。

なぜ「スーパー」なのでしょうか?
多くのスーパーセンチナリアンは100歳時点でも自立した生活を営み、健康寿命が100歳を超えているとのことです。

2019年5月時点での日本の総人口は1億2618万1千人です。
65歳以上人口は3577万5千人、
85歳以上人口は586万8千人、
90歳以上人口は228万8千人、
95歳以上人口は47万4千人、
100歳以上人口は7万2千人
となっています。(出典:「人口推計」(総務省統計局))
総務省統計局の統計をみても100歳以上としか表記がありません。
平成27年国勢調査結果によると110歳以上の人口は146人(男9名、女137名)でした。(出典:平成27年国勢調査結果(総務省統計局))

時期が違うデータを比較するのは意味のないことですが、だいたいのイメージを掴むために比較すると、100歳以上の人口7万人にたいし、110歳以上の人口は146人。
かなり少ないことがわかります。

スーパーセンチナリアンはまさしくスーパーな健康長寿エリートです。

慶應義塾大学医学部百寿総合研究センターの研究によりますと、
百寿者(100歳以上)の方々の特徴は、
• ほとんどの方が一つ以上の慢性疾患にかかっているか、既往がある。
• 高血圧と白内障、骨折(特に女性)の頻度が高い。
• 糖尿病にかかっている方が少ない。
• 日常生活機能(ADL)が自立しておられる方は全体の約2割。

また超百寿者(110歳以上)の方々の特徴は、
• 一般の高齢者では加齢に伴って、染色体の末端に位置するテロメア長は徐々に短縮しますが、百寿者、特に超百寿者や直系子孫(血縁のある子供)ではテロメア長がより長く保たれており、実際の年齢が80歳代でも、60歳代の平均値に匹敵する長さを有していた。

とのことです。

また、慢性炎症が100歳以降の余命や日常生活動作(ADL)、認知機能に影響しており、慢性炎症を抑えることが健康長寿の達成に重要であるとされています。

今回の理化学研究所と慶應大学の共同研究は、
老化に伴って免疫力が低下すると、がんや感染症などのリスクが高まる、スーパーセンチナリアンは高齢になっても免疫システムが良好な状態を保っているため、こうした致命的な病気を回避できているのではないか、という仮説のもと行われています。

スーパーセンチナリアン 7 人と 50~80 歳の 5 人から直接採血を行い、血液中に流れる免疫細胞を解析した結果、スーパーセンチナリアンでは50~80 歳と比べて、通常は少量しか存在しない CD4陽性キラーT 細胞が高い割合で存在しました。

T 細胞は獲得免疫システムの中核をなす細胞で、血液中や組織の中などに存在します。
他の免疫細胞を助ける「CD4 陽性ヘルパーT 細胞」とがん細胞など直接他の細胞を殺す機能を持つ「CD8 陽性キラーT 細胞」という 2 種類のサブタイプに分類されます。
CD4陽性でありながら、細胞を殺すための分子を発現しているものを 「CD4 陽性キラーT 細胞」と呼びますが、通常ヒトの血液にはこのような特徴を持つ T 細胞は非常に少ないとされています。

スーパーセンチナリアンはこの「CD4 陽性キラーT 細胞」を多くもつことが明らかになったのです。

しかしながら、この「CD4 陽性キラーT 細胞」は通常は少量しか存在しないこともあり、ヒトの免疫システムの中でどのような役割を果たしているのかは明らかになっていません。
また、百寿者、スーパーセンチナリアンの研究から健康長寿の要因が特定できても、同じ要因が一般の高齢者の健康寿命を延ばすことにつながるかどうかもわかりません。
今後の研究によって、老化や長寿において果たす役割が明らかになることが期待されます。


令和元年生まれの人の多くは21世紀後半を30代で迎え、22世紀の世界を82歳の高齢者として目にします。

今後色々な研究が進み、100歳以上生きる令和世代も少なくないのではないでしょうか。

どういった世の中になっていくのか興味は尽きません。


参照
・「人口推計」(総務省統計局)(https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html

・スーパーセンチナリアンの医学 生物学的研究 (日老医誌 2018;55:578―583)

・慶應義塾大学医学部百寿総合研究センターホームページ http://www.keio-centenarian.com/

・理化学研究所および慶應義塾大学から2019年11月13日付で発表されたプレスリリース https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2019/11/13/28-64775/

・Single-cell transcriptomics reveals expansion of cytotoxic CD4 T cells in supercentenarians
https://www.pnas.org/cgi/doi/10.1073/pnas.1907883116

院長 飯田 修史
足立外科胃腸内科医院(外科・胃腸内科・内科・皮膚科)
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