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AIで胃がん見逃し防止?最新内視鏡の精度とメリット|足立区の消化器内科医が解説

作成日:2025/12/18
更新日:2025/12/18
執筆 :足立外科胃腸内科医院 院長 医学博士 飯田修史
保有資格:消化器内視鏡専門医、消化器病専門医、外科専門医
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「胃カメラ検査を受けたいけれど、小さながんが見逃されないか心配……」 そのような不安をお持ちではありませんか? 
実は近年、人工知能(AI)技術が内視鏡の分野でも急速に進歩しており、医師の目をサポートする強力な味方となっています。

今回は、最新の「内視鏡AI」がどのように検査の精度を高めているのか、その現状とメリットをJDDW2025の教育講演5「上部消化管内視鏡診療におけるAIの現状と課題」で学んだ内容を元に分かりやすく解説します。

(当院では現時点で内視鏡AIの導入はしておりません)

目次

1. 内視鏡AIとは?医師とダブルチェックする仕組み
2. 食道がん・胃がん発見におけるAIの実力
3. なぜAIが必要?「見逃し」を防ぐ理由
4. AIの課題と医師の役割
5. 早期発見のためのチェックリスト
6. よくある質問(FAQ)
7. まとめ

1. 内視鏡AIとは?医師とダブルチェックする仕組み

1-1. ディープラーニングで病変を学習

医療分野におけるAI(人工知能)は、主に「ディープラーニング(深層学習)」という技術を使っています 。これは、大量の内視鏡画像と診断結果(病気が「ある」か「ない」か、どんな種類か)をAIに読み込ませ、病変の特徴を学習させるものです 。

1-2. 「検出」と「診断」の2つの機能

内視鏡AIには大きく分けてCADe(検出支援)とCADx(鑑別診断支援)の2つの役割があります。

1. CADe(検出支援): 検査中にリアルタイムで「ここに病気の疑いがあります」と画面上で囲って教えてくれる機能です 。

2. CADx(鑑別診断支援): 見つかった病変が「良性か悪性か」「がんの深さはどのくらいか」を予測してくれます 。

これまで医師の目だけで行っていた検査にAIの目が加わることで、より精度の高い検査が可能になりつつあります。

2. 食道がん・胃がん発見におけるAIの実力

2-1. 食道がん:90%以上の感度

食道がん(扁平上皮癌)に対するAIの検出能力は非常に高く、2023年のデータでは感度(病変を見つける力)が91.2%と報告されています 。

2-2. 胃がん:6mm以上の病変を高精度で発見

胃がんに関しては、2018年の研究ですでに92.2%の感度(病変発見率)が示されました 。特に6mm以上の病変に限ると98.6%という非常に高い精度で検出できたと報告されています 。
また、AIを使用することで、早期胃がんの見逃し率が27.3%から6.1%へと大幅に低下したというデータもあり、その有用性は明らかです 。
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3. なぜAIが必要?「見逃し」を防ぐ理由

3-1. 人間の限界を補う

従来、内視鏡検査での小さながんの発見は、医師の経験やその時の集中力に依存する部分が大きくありました 。
どんなに熟練した医師(専門医)であっても、疲労や非常に見つけにくい病変によっては、見逃しや誤診のリスクがゼロではありません 。

3-2. 診断の「均てん化」を目指して

AIは疲れを知らず、常に一定の基準で画像をチェックし続けます。これにより、医師ごとの技術のバラつきを減らし、どこでも質の高い検査を受けられるようにする(均てん化する)ことが期待されています 。 

4. AIの課題と医師の役割

4-1. AIも完璧ではない

非常に優秀なAIですが、課題もあります。 例えば、ただの炎症を「がんの疑い」として過剰に検出してしまうこと(過剰検出)があります。
また、胃の中の粘液や動きによって画像がブレると、正しく判断できないこともあります。

4-2. 最終診断は「医師」が行います

AIはあくまで医師をサポートするツールです。AIが「怪しい」と指摘した部分を、最終的に医師が自分の目で確認し、経験に基づいて総合的に判断します。
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5. 早期発見のためのチェックリスト

以下に当てはまる方は早めの受診をおすすめします。

▶️ 40歳以上で一度も胃カメラを受けたことがない
▶️ みぞおちの痛みや、胃の不快感が続いている
▶️ 家系に胃がんや食道がんになった人がいる
▶️ お酒を飲むと顔が赤くなる(食道がんのリスク因子)
▶️ ピロリ菌の検査をしたことがない、または陽性だった

6. よくある質問(FAQ)

Q. AIを使った検査は特別な費用がかかりますか? 
A. 現時点(2025年)では、AIを使用したこと自体に対する患者さんの追加負担は、特定の条件下(大腸検査など)を除き限定的です。今後の診療報酬改定で変更になる可能性がありますが、基本的には通常の保険診療の範囲内で、より精度の高い検査が受けられるようになりつつあります 。

Q. AIがあれば、医師の腕は関係なくなりますか? 
A. いいえ、医師の技術は依然として重要です。 AIは画像の中の「疑わしい場所」を指摘してくれますが、内視鏡を操作して死角なく胃の中を映し出すのは医師の技術です。また、AIの指摘が正しいかどうかを最終判断するのも医師の責任です 。

Q. AIは見逃しを100%防げますか? 
A. 残念ながら100%ではありません。 稀なタイプの病変や、粘液の下に隠れた病変などはAIでも検出が難しい場合があります 。

7. まとめ

内視鏡AIの進化により、胃がんや食道がんの発見率は飛躍的に向上しています。特に早期胃がんの見逃しを防ぐ効果は、データでも証明されています 。
2024年の診療報酬改定では、大腸カメラにおける病変検出支援技術が評価されました 。
胃カメラ領域でも、すでに複数のAIシステムが薬事承認されており、今後さらに普及していくと考えられます 。

しかし、どんなに優れた技術も、検査を受けに来ていただかなければ意味がありません。 

足立外科胃腸内科医院では、最新の知見を取り入れつつ、地域の皆さまが「辛くない」「安心できる」内視鏡検査を提供することに全力を注いでいます。

胃の不調を感じている方、検診で指摘を受けた方は、どうぞお気軽に当院へご相談ください。
 
執筆:足立外科胃腸内科医院 院長 医学博士 飯田修史

足立区五反野・青井・西新井エリアにお住まいのかたで大腸カメラ、大腸内視鏡検査、消化器内科、内視鏡検査をお探しの方は、ぜひ足立外科胃腸内科医院へお越しください。
当院院長は消化器内視鏡専門医、消化器病専門医、外科専門医の資格をもっており、おなかのスペシャリストです。
経験豊富な院長が必ず内視鏡検査を行い、検査後の説明、その後の外来フォローアップも丁寧に責任を持って行います。
検査して終わりではなく、行く度に対応する医者が変わることもありません。

一人ひとりに寄り添いながら、丁寧に対応いたします。
お気軽にご相談ください。

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この記事は、一般的な情報提供を目的としており、医学的なアドバイスではありません。必ず、医師の診断を受けてください。

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