大腸癌 〜早めに知って、守れる未来〜｜足立区の外科専門医が解説

大腸癌とは、大腸（結腸・直腸）の粘膜から発生する悪性腫瘍です。
日本では食生活の欧米化に伴い、年々患者数が増加しています。
特に50歳以上の方に多く発症しますが、近年は若年層でも発症例が見られています。

大腸癌は、「早く見つけることができれば、治る可能性の高い病気」です。
しかし、初期には自覚症状が少ないため、定期的な検診や内視鏡検査がとても重要になります。

大腸癌の発生には、さまざまな要因が関与しています。

・食生活：脂肪分の多い食事、野菜や食物繊維の不足
・遺伝的要因：家族に大腸癌患者がいる場合、リスクが高くなります
・肥満・運動不足：代謝異常が関与
・慢性炎症性腸疾患：潰瘍性大腸炎やクローン病
・喫煙・過度の飲酒

生活習慣や遺伝も、リスクを高める要因になります。

「自分はまだ若いから大丈夫」
「家族に癌の人はいないから安心」
そんなふうに思っている方であってもリスクが高い方は、より早期からの検査をおすすめします。

大腸癌の症状は、腫瘍の進行度や部位によって異なります。
代表的なものは以下の通りです。

・便に血が混じる（血便）
・便の形が細くなる（鉛筆様便）
・排便習慣の変化（便秘と下痢の繰り返し）
・腹部膨満感・痛み
・貧血（特に右側結腸癌で目立ちやすい）
・原因不明の体重減少

これらの症状があったからといって、必ず大腸癌とは限りません。
でも、もし少しでも心当たりがあれば、早めにご相談くださいね。

▶️ 大腸カメラ検査についてはこちら

・便の中に微量な血液が混じっていないか調べます。
・異常があれば、必ず精密検査（大腸カメラ）が必要です。

・大腸全体を直接観察し、ポリープや癌を見つけます。
・必要に応じてその場で組織検査（生検）やポリープ切除も可能です。

腹部CT検査や超音波検査も、進行癌の広がりを調べるために行う場合があります。  

早期の大腸癌であれば、
内視鏡でポリープを取るだけで治療が完了することもあります。

進行した場合でも、外科手術や抗がん剤治療を組み合わせて治療を進めていきます。
病気の段階によって、選べる治療法が大きく変わるため、「早く見つけること」が一番の近道になります。

症状がなくても、40歳を過ぎたら一度は大腸カメラ検査を受けましょう。
当院では、苦痛を最小限に抑えた安全な検査を提供しています。