A. 便秘の多くは消化器内科が適切な受診先です。血便・急激な体重減少・腹痛を伴う場合や、50歳以上で突然便秘が始まった場合は特に早めの受診をお勧めします。市販薬で改善しない慢性的な便秘も、消化器内科でタイプ(排便回数減少型か排便困難型か)と原因を調べることが大切です。当院は消化器内視鏡専門医・消化器病専門医が在籍し、診断から大腸カメラまで一貫して対応しています。
Q. 市販の下剤を使い続けても大丈夫ですか?
A. 便通異常症診療ガイドライン2023では、刺激性下剤や坐剤・浣腸は常用せず「オンデマンド(必要なときだけ)」で使うものと位置づけられています。刺激性下剤(センナ、ビサコジルなど)を長期に使い続けると効きが悪くなることがあり、まずは浸透圧性下剤などを基本に組み立て直すのが推奨されます。オンデマンド使用が頻回になる場合は、医師に相談して治療薬の見直しをお勧めします。
Q. 便秘のタイプは自分で判断できますか?
A. ある程度の目安はありますが、正確な判断は難しいのが実情です。便通異常症診療ガイドライン2023では、便秘を排便回数が減る「排便回数減少型」と、便は来ているのに出しにくい「排便困難型」に分けますが、どちらが主体かで治療が変わります。市販薬で改善しない便秘は、消化器内科でタイプを見極めてもらうのが近道です。
Q. 便秘でも大腸カメラは必要ですか?
A. 急に便秘になった・血便がある・便が細くなった・体重が減る・40歳以上で初めての便秘などの場合は、大腸がんなど器質的な病気を除外するために大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が推奨されます。当院では院長が必ず担当し、鎮静剤を使った苦痛の少ない検査を行っています。ご不安な方もお気軽にご相談ください。
更新日:2026年06月04日
執筆:足立外科胃腸内科医院 院長 医学博士 飯田修史
保有資格:消化器内視鏡専門医、消化器病専門医、外科専門医
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目次
2.便秘の2つのタイプ(排便回数減少型・排便困難型)を見分ける判断軸
3.便秘の原因による分類 ― 機能性・器質性・症候性・薬剤性
4.市販の便秘薬だけで済ませてはいけない理由
5.タイプ別の治療と生活改善のポイント
6.よくある質問
1.便秘とはどのような状態か ― 放置で起こるリスク
「たかが便秘」と放置するリスク
2.便秘の2つのタイプ(排便回数減少型・排便困難型)を見分ける判断軸
Rome IVに準拠した診断基準(ガイドライン2023)
・C1(便形状):排便の4分の1超の頻度で、兎糞状便または硬便(ブリストル便形状スケールでタイプ1〜2)
・C2(排便頻度):自発的な排便回数が週に3回未満
・P1(怒責):排便の4分の1超の頻度で、強くいきむ必要がある
・P2(残便感):排便の4分の1超の頻度で、残便感がある
・P3(閉塞感・困難感):排便の4分の1超の頻度で、直腸肛門の閉塞感や排便困難感がある
・P4(用手的介助):排便の4分の1超の頻度で、用手的な排便介助が必要(摘便・会陰部圧迫など)
「慢性」は、6か月以上前から症状があり、最近3か月間は上記の基準を満たす場合とされます。ただし日常診療では、この基準を厳密に満たさなくても、生活に支障があれば便秘症として積極的に対応するのが当院の方針です。
3.便秘の原因による分類 ― 機能性・器質性・症候性・薬剤性
機能性便秘症・便秘型過敏性腸症候群(IBS)
器質性便秘症(狭窄性・非狭窄性)
症候性便秘・薬剤性便秘
4.市販の便秘薬だけで済ませてはいけない理由
つまり、刺激性下剤を毎日のように使い続けるより、タイプに合った薬へ組み立て直すほうがガイドラインの考え方に沿っています。当院では、市販薬が効かなくなってきた方には、タイプを見極めたうえで治療を見直すご提案をしています。オンデマンド使用が頻回になっている方こそ、一度ご相談ください。
5.タイプ別の治療と生活改善のポイント
排便回数減少型の治療の進め方
排便困難型の治療の進め方
生活習慣の基本
⚠ 便が急に細くなった
⚠ 急な体重減少(1〜3か月で3kg以上)
⚠ 強い腹痛・腹部膨満感を伴う
⚠ これまでなかった便秘が突然始まった(とくに40歳以降)
⚠ 便秘と下痢を繰り返す
⚠ 家族に大腸がん・大腸ポリープの既往がある
これらは大腸がんをはじめとする重大な疾患のサインである可能性があります。市販薬でやり過ごさず、早めに受診してください。気になる症状がある方は、無理に我慢せず一度ご相談ください。
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6.当院での検査・診断の流れ
2.身体診察・血液検査:腹部・直腸肛門の診察と、甲状腺機能・貧血・炎症の有無などを調べます。
3.必要に応じた検査:器質的疾患が疑われる場合は大腸内視鏡検査、便排出障害が疑われる場合は直腸肛門の評価など、タイプに応じて検査を選びます。
4.大腸内視鏡検査(必要時):鎮静剤を使った苦痛の少ない検査を院長が担当。ポリープがあればその場で切除も可能です。
5.診断・治療方針の説明:タイプ(排便回数減少型/排便困難型)と原因に合わせた治療と生活指導をご提案し、定期的に経過を確認します。
7.よくある質問
A. 便秘の多くは消化器内科が適切な受診先です。血便・急激な体重減少・腹痛を伴う場合や、50歳以上で突然便秘が始まった場合は特に早めの受診をお勧めします。市販薬で改善しない慢性的な便秘も、消化器内科でタイプ(排便回数減少型か排便困難型か)と原因を調べることが大切です。当院は消化器内視鏡専門医・消化器病専門医が在籍し、診断から大腸カメラまで一貫して対応しています。
Q. 市販の下剤を使い続けても大丈夫ですか?
A. 便通異常症診療ガイドライン2023では、刺激性下剤や坐剤・浣腸は常用せず「オンデマンド(必要なときだけ)」で使うものと位置づけられています。刺激性下剤(センナ、ビサコジルなど)を長期に使い続けると効きが悪くなることがあり、まずは浸透圧性下剤などを基本に組み立て直すのが推奨されます。オンデマンド使用が頻回になる場合は、医師に相談して治療薬の見直しをお勧めします。
Q. 便秘のタイプは自分で判断できますか?
A. ある程度の目安はありますが、正確な判断は難しいのが実情です。便通異常症診療ガイドライン2023では、便秘を排便回数が減る「排便回数減少型」と、便は来ているのに出しにくい「排便困難型」に分けますが、どちらが主体かで治療が変わります。市販薬で改善しない便秘は、消化器内科でタイプを見極めてもらうのが近道です。
Q. 便秘でも大腸カメラは必要ですか?
A. 急に便秘になった・血便がある・便が細くなった・体重が減る・40歳以上で初めての便秘などの場合は、大腸がんなど器質的な病気を除外するために大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が推奨されます。当院では院長が必ず担当し、鎮静剤を使った苦痛の少ない検査を行っています。ご不安な方もお気軽にご相談ください。
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参考文献
2.日本消化管学会「各種活動(ガイドライン)」便通異常症診療ガイドライン2023
3.小笠原尚高「慢性便秘症」現代医学 71巻1号, 2024年(便通異常症診療ガイドライン2023の解説・定義・診断基準・治療フロー)
4.厚生労働省「2022年(令和4年)国民生活基礎調査」(便秘の有訴率の性差・年齢分布の出典)
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