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便秘のタイプ別の原因と治療法とは?排便回数減少型・排便困難型を消化器専門医が解説

作成日:2026年02月14日
更新日:2026年06月04日
執筆:足立外科胃腸内科医院 院長 医学博士 飯田修史
保有資格:消化器内視鏡専門医、消化器病専門医、外科専門医
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市販の便秘薬を使ってもなかなか改善しない——そんな経験はありませんか。便秘は大きく「排便回数減少型」と「排便困難型」に分かれ、タイプによって原因も適切な治療もまったく異なります。日本消化管学会『便通異常症診療ガイドライン2023(慢性便秘症)』では、便秘を「本来排泄すべき糞便が大腸内に滞ることによる兎糞状便・硬便、排便回数の減少や、糞便を快適に排泄できないことによる過度な怒責・残便感・直腸肛門の閉塞感・排便困難感を認める状態」と定義しています。本記事では足立区・青井・五反野で便秘のご相談を多く受ける当院の経験をもとに、タイプの見分け方・診断基準・市販薬で済ませてはいけない理由・受診の目安を、消化器内視鏡専門医の院長が整理します。

この記事の独自性:本記事は最新の『便通異常症診療ガイドライン2023(日本消化管学会)』に沿って分類・診断基準・治療の流れを整理したうえで、足立区青井で便秘のご相談を多くいただく当院の外来経験から「自分はどのタイプか」「市販薬で済ませてよいか」「いつ大腸カメラを受けるべきか」を、消化器内視鏡専門医・消化器病専門医・外科専門医の3資格を持つ院長の視点で補足しています。

目次

1.便秘とはどのような状態か ― 放置で起こるリスク
2.便秘の2つのタイプ(排便回数減少型・排便困難型)を見分ける判断軸
3.便秘の原因による分類 ― 機能性・器質性・症候性・薬剤性
4.市販の便秘薬だけで済ませてはいけない理由
5.タイプ別の治療と生活改善のポイント
6.よくある質問

1.便秘とはどのような状態か ― 放置で起こるリスク

便通異常症診療ガイドライン2023では、便秘を「本来排泄すべき糞便が大腸内に滞ることによる兎糞状便・硬便、排便回数の減少や、糞便を快適に排泄できないことによる過度な怒責・残便感・直腸肛門の閉塞感・排便困難感を認める状態」と定義しています。便秘は「状態名」であって病名ではなく、これによって日常生活や体に支障をきたす場合を「慢性便秘症」と呼びます。毎日排便がなくても、週3回以上あり兎糞状便・硬便でなく残便感や排便困難感もなければ、診断上は便秘症ではありません。なお、便秘の自覚症状(有訴率)は女性に多い傾向があることが知られています(厚生労働省 令和4年 国民生活基礎調査)。

「たかが便秘」と放置するリスク

慢性的な便秘を放置すると、排便時の強いいきみによる痔(いぼ痔・切れ痔)、糞便性腸閉塞、直腸潰瘍、消化管穿孔といった局所合併症のほか、ガイドライン2023では冠動脈性心疾患・脳卒中・神経変性疾患など全身疾患の発症リスク上昇との関連も指摘されています。さらに、便秘の陰に大腸がんなどの病気が隠れていることもあります。だからこそ、便秘を「市販薬でしのぐもの」で終わらせず、タイプと原因を見極めることが大切です。
当院の判断軸:2週間以上続く便秘、市販薬が効かなくなってきた便秘、便秘と下痢を繰り返す便秘は、自己流で続けず一度ご相談いただくことをお勧めしています。タイプを取り違えた対処が、かえって便秘を長引かせていることが少なくないからです。

2.便秘の2つのタイプ(排便回数減少型・排便困難型)を見分ける判断軸

結論から言うと、便通異常症診療ガイドライン2023は慢性便秘症を、日常診療の症状分類として「排便回数減少型」と「排便困難型」の2つに分けます。前者は糞便が大腸内に滞って排便回数・量が減る状態、後者は直腸まで来た便を快適に出せない状態で、適した治療が異なるため、見分けが治療の出発点になります。
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なお、便秘は以前「弛緩性・けいれん性・直腸性」といった分類でも説明されてきましたが、便通異常症診療ガイドライン2023では上記の症状分類(排便回数減少型/排便困難型)と病態分類で整理する考え方が主流になっています。当院でも、患者さんがどちらの型に近いかをまず見極めることを治療の出発点にしています。

Rome IVに準拠した診断基準(ガイドライン2023)

ガイドライン2023の慢性便秘症の診断基準は、国際基準であるRome IVに準拠し、次の6項目のうち2項目以上を満たすものとされています。C1・C2(排便中核症状)は排便回数減少型を、P1〜P4(排便周辺症状)は排便困難型を診断する手がかりになります。

C1(便形状):排便の4分の1超の頻度で、兎糞状便または硬便(ブリストル便形状スケールでタイプ1〜2)
C2(排便頻度):自発的な排便回数が週に3回未満
P1(怒責):排便の4分の1超の頻度で、強くいきむ必要がある
P2(残便感):排便の4分の1超の頻度で、残便感がある
P3(閉塞感・困難感):排便の4分の1超の頻度で、直腸肛門の閉塞感や排便困難感がある
P4(用手的介助):排便の4分の1超の頻度で、用手的な排便介助が必要(摘便・会陰部圧迫など)

「慢性」は、6か月以上前から症状があり、最近3か月間は上記の基準を満たす場合とされます。ただし日常診療では、この基準を厳密に満たさなくても、生活に支障があれば便秘症として積極的に対応するのが当院の方針です。

3.便秘の原因による分類 ― 機能性・器質性・症候性・薬剤性

症状の型(排便回数減少型/排便困難型)とは別に、原因の面からも便秘は整理できます。治療やどこまで検査するかの判断に直結します。

機能性便秘症・便秘型過敏性腸症候群(IBS)

腸や直腸に明らかな病気がないのに起こる便秘です。食物繊維・水分不足、運動不足、加齢、排便を我慢する習慣などが背景になります。便秘と下痢を繰り返し腹痛を伴う場合は、便秘型過敏性腸症候群(IBS)が重なっていることがあります。ガイドライン2023でも、便秘型IBSは機能性便秘症と連続したスペクトラムとして扱う考え方が示されています。

器質性便秘症(狭窄性・非狭窄性)

大腸がん・狭窄・炎症など、はっきりした病気が原因の便秘です。便が細くなる・血便・体重減少などを伴うことがあり、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)での確認が必要です。大腸がんそのものの早期発見の重要性については、大腸がんを早めに知って守るための解説もご覧ください。便潜血が陽性だった方は、便潜血陽性後の検査の流れもあわせてご確認ください。

症候性便秘・薬剤性便秘

甲状腺機能低下症・糖尿病・パーキンソン病など全身の病気に伴う便秘(症候性)や、鎮痛剤(オピオイド系)・抗コリン薬・カルシウム拮抗薬(降圧薬)・鉄剤などの薬で起こる便秘(薬剤性)もあります。複数の薬を服用していて便秘が強い方は、自己判断で中断せず主治医にご相談ください。

4.市販の便秘薬だけで済ませてはいけない理由

結論から言うと、市販の刺激性下剤で長期間しのぐのは避けたほうが安全です。便通異常症診療ガイドライン2023では、刺激性下剤や坐剤・浣腸・摘便は「常用せず、必要なときだけ使うオンデマンド治療」と明確に位置づけられています。一方で、ガイドライン2023で慢性便秘症への有効性が示され、治療の柱として使用が推奨されているのは、浸透圧性下剤・上皮機能変容薬・胆汁酸トランスポーター阻害薬です。

つまり、刺激性下剤を毎日のように使い続けるより、タイプに合った薬へ組み立て直すほうがガイドラインの考え方に沿っています。当院では、市販薬が効かなくなってきた方には、タイプを見極めたうえで治療を見直すご提案をしています。オンデマンド使用が頻回になっている方こそ、一度ご相談ください。  

5.タイプ別の治療と生活改善のポイント

ガイドライン2023は、排便回数減少型と排便困難型でそれぞれ治療フローチャートを示しています。当院もこの流れに沿って、無理のない治療を一緒に決めていきます。

排便回数減少型の治療の進め方

まず生活習慣の改善と食事療法(食物繊維・水分、規則的な排便習慣)から始めます。改善が乏しければ浸透圧性下剤(塩類下剤=マグネシウム製剤、糖類下剤=ラクツロース、高分子化合物=ポリエチレングリコール/PEG)を用い、それでも不十分なら上皮機能変容薬(ルビプロストン・リナクロチド)や胆汁酸トランスポーター阻害薬(エロビキシバット)へと段階的に進めます。なお、マグネシウム製剤は腎機能が低下した高齢者には用いず、高齢の方に使う際は血清マグネシウム値を定期的に確認するのが望ましいとされています。

排便困難型の治療の進め方

排便困難型では、まず直腸肛門の診察や検査で「便排出障害」の有無を評価します。骨盤底筋の協調がうまくいかない機能性便排出障害には、生活習慣・食事の調整に加え、坐剤・浣腸や骨盤底筋トレーニング、専門施設でのバイオフィードバック療法などが用いられます。直腸瘤・直腸重積など構造的な原因が疑われる場合は、より詳しい検査や専門的治療を検討します。

生活習慣の基本

どちらのタイプでも、食物繊維(野菜・豆類・海藻・きのこ)と水分を適切にとり、起床後に水や白湯を1杯飲む、毎朝同じ時間にトイレに座る、便意を我慢しない、といった習慣が土台になります。ご自身に合う方法を、医師と一緒に決めていきましょう。

今すぐ受診すべき警告サイン

⚠ 便に血が混じる(血便・黒色便)
⚠ 便が急に細くなった
⚠ 急な体重減少(1〜3か月で3kg以上)
⚠ 強い腹痛・腹部膨満感を伴う
⚠ これまでなかった便秘が突然始まった(とくに40歳以降)
⚠ 便秘と下痢を繰り返す
⚠ 家族に大腸がん・大腸ポリープの既往がある

これらは大腸がんをはじめとする重大な疾患のサインである可能性があります。市販薬でやり過ごさず、早めに受診してください。気になる症状がある方は、無理に我慢せず一度ご相談ください。
足立区青井・五反野エリアで、便秘が長く続く・血便など気になる症状がある方は、当院にもお気軽にご相談ください。

6.当院での検査・診断の流れ

足立区・五反野にある当院では、院長が必ず担当するため、行くたびに医師が変わることはありません。便秘のタイプと原因を見極めながら、無理のない治療を一緒に決めていきます。

1.問診:便の回数・性状(ブリストル便形状スケール)・期間・生活習慣・服薬・家族歴を詳しく伺います。WEB問診を事前にご利用いただくとスムーズです。

2.身体診察・血液検査:腹部・直腸肛門の診察と、甲状腺機能・貧血・炎症の有無などを調べます。

3.必要に応じた検査:器質的疾患が疑われる場合は大腸内視鏡検査、便排出障害が疑われる場合は直腸肛門の評価など、タイプに応じて検査を選びます。

4.大腸内視鏡検査(必要時):鎮静剤を使った苦痛の少ない検査を院長が担当。ポリープがあればその場で切除も可能です。

5.診断・治療方針の説明:タイプ(排便回数減少型/排便困難型)と原因に合わせた治療と生活指導をご提案し、定期的に経過を確認します。

ご自身に合う方法を、医師と一緒に決めていきましょう。

7.よくある質問

Q. 便秘は何科を受診すればよいですか?

A. 便秘の多くは消化器内科が適切な受診先です。血便・急激な体重減少・腹痛を伴う場合や、50歳以上で突然便秘が始まった場合は特に早めの受診をお勧めします。市販薬で改善しない慢性的な便秘も、消化器内科でタイプ(排便回数減少型か排便困難型か)と原因を調べることが大切です。当院は消化器内視鏡専門医・消化器病専門医が在籍し、診断から大腸カメラまで一貫して対応しています。

Q. 市販の下剤を使い続けても大丈夫ですか?

A. 便通異常症診療ガイドライン2023では、刺激性下剤や坐剤・浣腸は常用せず「オンデマンド(必要なときだけ)」で使うものと位置づけられています。刺激性下剤(センナ、ビサコジルなど)を長期に使い続けると効きが悪くなることがあり、まずは浸透圧性下剤などを基本に組み立て直すのが推奨されます。オンデマンド使用が頻回になる場合は、医師に相談して治療薬の見直しをお勧めします。

Q. 便秘のタイプは自分で判断できますか?

A. ある程度の目安はありますが、正確な判断は難しいのが実情です。便通異常症診療ガイドライン2023では、便秘を排便回数が減る「排便回数減少型」と、便は来ているのに出しにくい「排便困難型」に分けますが、どちらが主体かで治療が変わります。市販薬で改善しない便秘は、消化器内科でタイプを見極めてもらうのが近道です。

Q. 便秘でも大腸カメラは必要ですか?

A. 急に便秘になった・血便がある・便が細くなった・体重が減る・40歳以上で初めての便秘などの場合は、大腸がんなど器質的な病気を除外するために大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が推奨されます。当院では院長が必ず担当し、鎮静剤を使った苦痛の少ない検査を行っています。ご不安な方もお気軽にご相談ください。

足立区で便秘を相談するなら

便秘は「排便回数減少型」と「排便困難型」でタイプが分かれ、原因(機能性・器質性・症候性・薬剤性)によっても対応が変わります。市販の刺激性下剤で済ませず、便通異常症診療ガイドライン2023の考え方に沿って、タイプと原因を正しく見極めることが、改善と重大な病気の見逃し防止につながります。

足立区・五反野・青井・綾瀬・西新井・六町・小菅・竹の塚エリアで便秘が続く方は、消化器内視鏡専門医・消化器病専門医が在籍する当院にご相談ください。

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【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の診断・治療を推奨するものではありません。実際の診療は個別の状況に応じて医師にご相談ください。
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